フクロモモンガの2重劣性コンボモルフ
フクロモモンガの劣性遺伝クリミノとリューシスティックがコンボになった【ルビーレイ】についてです。
物好きな層から「ブログに載せて!」と言われてたんですが、説明がメンドクセーってことで後回しにしてました。
いつも通り日本語ムツカシイネー状態なので、分からない点などあればご指摘ください。
お決まりのおさらいから行きますが、今現在確立されているフクロモモンガの遺伝子変異で劣性遺伝するとされているものは以下の4つです。
・アルビノ(白体赤目)
・リューシスティック(白体黒目)
・クリミノ(茶体赤目)
・プラチナ(灰体黒目)
()の中は分かりやすいようにざざっと書いたものなので、特にクリミノとプラチナに関しては流してもらって大丈夫デス。
で、本題なんですがフクロモモンガの劣性品種の内の2つが組み合わさったもののことを2重劣性コンボモルフって呼んでいます。
上の4つの内、リューシスティックとクリミノの変異遺伝子がホモ(2つそろっている)になった状態のことを言います。
クリミノの深紅の瞳と、リューシの白い体ってことで『ルビーレイ』って名前が付いています。
上の●体△目で考えると、白体赤目ってことでアルビノに近い外見をしています。
アルビノのような透き通ったピンクアイじゃなくて、虹彩に色素がまだまだ残っているルビーアイです。
体も、アルビノほど冷たいほどの真っ白!って感じではなくリューシスティックの柔らかめな白です。
でもモザイクほどマットな感じじゃないんだそーです。
わたしはリューシとモザイクの白の違いはイマイチ良く分かりません(*ω*)
目にクリミノの遺伝子が発現して赤目に!体はリューシの遺伝子が!っていう足し算じゃなくて遺伝は(ほぼ)引き算です!
クリミノ+リューシスティック=ルビーレイ
というより
クラシック-(クリミノ+リューシスティック)=ルビーレイ
ってした方が正しい感じ。
目の色味は、リューシスティックの場合ほぼ変化ないですが、クリミノが黒色色素を減少させるのでクリミノっぽい目に。
体の色味は、クリミノが黒色色素を減少させますが、そこからさらにリューシが白くしてしまってるのでクリミノの名残はありません。
目にも体にも、等しくクリミノとリューシの遺伝が発現してますが、どっちかの遺伝子が大きくマイナスなのでどちらか一方しか確認できないという状態。
で、クリミノの目にリューシの体色って表現されます。
この品種の作り方は、クリミノとリューシをかけてその子供をF1とすると、そのF1(クラシック/クリミノ・リューシ)同士をかけて16分の1(6.25%)の確立で生まれる~という良くあるコンボモルフとおんなじです。
16分の1か~と思うかもしれませんが、フクロモモンガの出産は年に2~4回で子供の数は2~8匹。
F1のペアから2年に1回生まれるか生まれないかの確率になります。
ちなみにF1同士から生まれる残りの15匹(93.75%)の確率は、
25% : クラシック/クリミノ・リューシスティック
12.5% : クラシック/クリミノ
12.5% : クラシック/リューシスティック
6.25% : クラシック
12.5% : クリミノ/リューシスティック
6.25% : クリミノ
12.5% : リューシスティック/クリミノ
6.25% : リューシスティック
なので15匹中9匹がクラシック/poss66%クリミノ・リューシで外見ではヘテロクリミノなのかリューシなのか有るのか無いのかは分かりません。
で、残り6匹中3匹ずつがクリミノ/poss66%リューシ、リューシ/poss66%クリミノでヘテロは以下略です。
※計算間違ってたらごめんなさい
2重劣性コンボっていうのは、棘の道すぎる。
そう考えたらレオパの3重劣性コンボ(ディアブロブランコ)とかコーンの4重劣性(ハイポ・アバランチとか)とか神の所業ですネ。
もう「出そうと思って出せるもんじゃねえ」の域。
こういう品種が確立されていて、数万円で購入できるっていうのは本当にブリーダーさま方に感謝しなければいけないなあと思います。
話を戻しますが、F1同士を~については、KT-NEXTさんのブログで図解されてるので見ると良く分かります。
図で見ると、ふ~んってな感じですが劣性遺伝子のコンボモルフは本当に大変なんだよ!ってことをみなさんに知ってもらえればきっとアメリカのブリーダーも浮かばれます。(まだご存命です)
で、そんな棘の道を行くのは嫌なのでWヘテロ同士をかけるんじゃなくてWホモ×Wヘテロにしよう!
ってことで来日してもらったルビーレイちゃんです。
Wホモ×Wヘテロで、16分の1から4分の1にぐっと近づく・・・はずなんです計算上は。
残りの3匹の場合に次世代につなげるための異血クリミノ×リューシペアもできたので、来年は頑張ってくれるといいな~と思ってマス。
Posted on: 2014年11月5日, by : ひみる